日本近代文学における「児童文学」は子ども向けの読み物と思われがちですが、成長して大人になって別の角度から読んでみると、また違った面白さに出会えます。児童文学は大人が描いた子どもの世界ですから、その時代背景を鏡のように映しているのです。明治時代では富国強兵の政策のなか、強い子ども像が勇ましい挿し絵とともに描かれました。また、大正デモクラシーの時代になると「子どもは守られ、幸せであるべきだ」という考えが強くなり、温かい家庭で幸せに暮らす子どもたちの話が多くなりました。そこでの母親は、やさしく母性豊かであるのが理想として描かれます。
日本近代文学中的“儿童文学”易被误以为是儿童读物,但成年后从另一个角度来阅读的话,却能感受到不同的趣味性。儿童文学是大人描绘的孩子们的世界,因此如同镜子般反映出当时的时代背景。明治时代由于富国强兵的政策,插画多描绘的是强壮、勇敢的儿童形象。到了大正民主时期,更多呼吁的是“守护孩子,孩子应该获得幸福”,大多讲的是生活在幸福家庭的孩子们的故事。母亲在这个时候,也多是温柔的、充满母性光辉的理想形象。
つまりかつての児童文学には、「子どもはこうあるべき」や「家庭や親はこうあるべき」という、時代が理想とする世界を表現していた面があります。それが経済成長を遂げ、その陰でさまざまな社会問題が現れた1970年代に入ると、「ハッピーなだけの子どもの話は現実とかけ離れているのでは?」という声が挙がり、家庭や個人が抱える問題が物語に反映されるようになりました。登場する母親も子どもや社会との関係に悩むリアルな姿で描かれるようになったのです。このように時代の流れに沿って児童文学を読み解いていけば、「こうあるべき」といった既成の考えにしばられる必要はないのだということもわかってきます。
换言之,以前的儿童文学描述的是“孩子应该这样”、“家庭、父母应该那样”,表现出当时所认为的理想世界。随着经济增长,进入1970年代后出现了各种各样的社会问题,“孩子的故事中只有欢乐,是不是与现实相差太远了?”这样的呼声越来越多,于是有了反映家庭及个人所面临的问题的文学。登场的母亲也好,孩子也好,都反映出其在社会关系中经受烦恼的真实状态。顺应这样的时代潮流,解读儿童文学时,就没有必要被“应该如此”的传统观点束缚了。
児童文学には子どもだけでなく、どの年代の人にとっても面白く、引きつけられる話がたくさんあります。しかし、「こんなことがあるはずがない」という考えから解放されないと、物語の世界をじゅうぶん楽しむことができません。例えばファンタジー色の強い作品では、実際にできないようなことが体験できるようになっていますが、そのぶん読み手に相応の想像力が求められるのです。児童文学を読んで得るものはたくさんあります。やわらかい感性があれば、児童文学にこめられたメッセージを感じ取ることができるでしょう。
儿童文学不仅限于儿童阅读,其有趣的故事内容对各个年代的人都有吸引力。可是,不从“这样的事情不应该存在”的思想中解放出来的话,就无法尽情享受童话故事带来的快乐。例如,幻想性很强的作品里,实际上无法体验的事情在故事中体验到了,这个部分需要读者运用相应的想象力。阅读儿童文学作品益处良多,只要感情丰富,就能感受到儿童文学带来的美好。
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